■12月19日 今年もいよいよあと残り少しとなりました。今年の成果は、何といっても赤ちゃんを授かったことです。塾長トムは、2002年3月から子どもたちの勉強のお手伝いに関わってきましたが、ついに自分の子供も教育する段階に来たようです。今年、13年目にして分かったことは、耳が痛いことを言われることは、決して損ではないということです。甘い言葉をかけがちな世の中になっていますが、相手のことを思いやるなら、厳しくても正しいことを伝えるように心がけるべきです。もう亡くなられましたが、私の小学校5年の時の担任の佐藤先生が、「なれあいになるな!」と諭してくれたその言葉にも通じる部分があります。 もう一つ、東大で教わったことですが、当時農学部の水圏生物工学研究室に所属していたころに指導教官の渡部先生から頂いた言葉が、「先ずは日本人として自覚することが大事だ!」ということです。科学の世界は、英語を使ってやりとりしていますが、よく欧米の考え方に頼りがちです。しかし、本当に欧米諸国が何でも立派な考え方をしてきたでしょうか。歴史を紐解けば、大航海時代の15世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパはアジアや南米、アフリカに進出し、スペインは無敵艦隊をほこって、侵略の日々を送っていました。イギリスもまた、産業革命以降の17世紀以降、インドを中心に植民地化を推進し、中国を三角貿易でアヘン漬けにし、そしてアメリカは、欧米の軍事力の大きな進歩の差につけこんで、日本に開国をせまりました。我々が、学校で勉強した歴史は、つまりこういったことを物語っています。 科学の進歩が最優先なら、アインシュタインはなぜ、原爆が広島、長崎に投下されたことについて、大きな後悔をしたのでしょうか。違うと思います。科学が最も重要なのではなく、我々人類がいかに幸せに生きることができるかが、重要なのです。 ここ15年ほど、日本についてすごいと思ったことがあります。それは、日本が長年にわたって円借款や技術支援を経て、アジアを中心にその経済発展に大きく貢献してきたことです。 塾長トムが子どもの頃は、アジアというとやたらどこの国も貧しく経済的にはほとんど力がない状態が広がっていました。そして日本はというと、1950年の朝鮮戦争以来、一気に高度経済成長を成し遂げていました。 先進国と発展途上国との間の巨大な格差は、いつまで経っても変わることはないのかと当時は思っていましたが、アジアの国々と関わっていた当時の日本人たちは、ただその状態を傍観するのではなく、積極的に自分達にできることで、状況を改善できることは、やっていたんだなと、今になると実感してきます。 これからの日本のあるべき姿も、また同じであるかと思います。豊かになればなるほど、謙虚な姿勢で近隣諸国と接するべきでしょう。日本が進む道はただ1つ、モラルある行動をとり、国のお手本となるふるまいをこれからも続けていくことです。 |