■3月22日 ようやく最後の生徒も大学進学先が決まり、ほっとしているところです。なかなか、予定通り結果を出すのは難しく、ギリギリセーフと言った感じでした。しかし、進学先があるというのは本当に生徒本人にとってもうれしいことだと思います。 今年の大学受験を振り返ってみると、今年は勉強が全くできない生徒の受験対策がメインとなりました。ここ3、4年は、医学部対策がメインでしたが、それなりの成果も出て、次はできる生徒ではなく、できない生徒をどうやって大学合格に結び付けるかという課題が課されていました。 まったく勉強ができないケースは、日頃の学習習慣から攻略しなければなりません。なんとか生徒の心を常にキャッチしてまじめな方向に向かわせることが、指導のメインとなります。こういったことは、1対1の当塾の指導スタイルの真骨頂だと言えます。塾長トムは、自分が苦手だった剣道の世界をここにあてはめることができます。できないという状況は、周りにできる人が居ると自分の事がカッコ悪いものなのです。そして、常に周りを意識して少しでも自分が周りからバカにされないように取り繕うことばかりを考えてしまいます。そうした状況下で、個別指導塾の名を振り回してビジネスを行っている塾では、ブース形式を採用しているために、生徒は周りの生徒をあまりにも意識しすぎるようになり、指導している先生の言葉もまったく耳に入らなくなります。 そしていつも緊張だけが体の中を走り、自分主導の考え方ができないために何時まで経っても全く学ぶことがない状態が何年も続きます。そうして苦手意識が心底からついてしまうのです。 一方、当塾の1人1部屋式の個別指導ですと、周りの事をまったく気にすることなく、しかも先生が生徒の心に合わせて会話をして一つ一つの知識や考え方を伝達していくので、素直に頭に入ってきますし、自分の意識というものが、誰にもじゃまされることなく、しっかり育成されていきます。 更には、学習習慣がついてくると、自然に自分に自信が持てるようになり、声も張りが出てくるし、態度もしっかりしてきます。 そういった諸々のことが配慮できるのは、長年勉強の世界に身をしっかり投じてきた人間でないとなかなかできません。しかし、塾の現状は、まったく異業種のリストラされた人間が、年齢と貫録だけでハッタリのマニュアル指導を行ってきます。特に大手のシステムは商売としてはよく出来ており、中央の本部に毎週スタッフを集めて新興宗教ばりにマニュアル指導の講習会を行っています。 うまく行ったケースを素人に手口だけ教え込んで客をうまくだましているのです。そういったところでは、本当の実力はつかないばかりか、見習う相手が間違っているために悪い考え方が身についてしまいます。 成績保証という言葉が、いちばんたちが悪いと思います。あれはうそですよ。言うのは簡単です。勉強だっていろいろなことの積み重ねの上に成り立っているわけですから、そんなに簡単に状況打破できるはずがありません。努力をしたからといって予定通りの結果が出るとはかぎりません。なかなかうまく行かないから世の中は面白いのです。そして世の中が広くなるのです。 大事なことは、努力する姿勢を身につけることです。結果は後からついてきます。それも、人によってどの時点で結果が出るかなんて、人生を歩んでみなければわかりません。なかなかうまく行かないことがずうっと何年も続いたとき、もうあきらめようかなあって思ったときに花開いたら、それがどんなに価値があることに変わっているか、想像が容易につくでしょう。 塾長トムの家系をたどってみても、父方の祖母の代で、勉強を志してから、父の代になり、父の姉の御主人から勉強の方法を教わって初めて父が勉強ができるようになり、そして塾長トムの代になって初めて東大を現役合格できたという経緯があります。 勉強というものは、遅い情報の部類に入ります。何年、何十年とかけてやっと伝わることも多々あるのです。理解するのに環境が整備されてきてやっと理解しやすい段階で学んで頭に入ってくるということもあります。 待つということも大事だと思います。ずうっと待っていたら、必ず残り物の福が舞い込んで来ます。神様に感謝することも大切だと思います。結果が思うようにならなかったからといってきれることもありません。素直に受け入れて次の動作を速くすることもまた次の結果につながるのです。気を長く持つことができればできるほど、良い方向へと向かっていけることでしょう。 |