問題
図のように張力T,重力Mg,壁木が上に押す力F,壁から垂直抗力Nがかかっている棚板がある.ひもと棚板のなす角をθとする.
張力Tの鉛直成分はT,水平成分はTと表せる.
この図では,鉛直方向ののつり合い,水平方向ののつり合い,壁木Aを中心とするのつり合いの3つの式を立てることができる.
力のモーメントは,点Aからの×棚板に対して方向の で表せる.
基本は反時計回りの力を,時計回りの力をで表す.
重力Mgの場合,点Aからすると回りなので,張力Tの鉛直成分はTsinθで回りなのでとなる.
棚板は点Aを中心にどちらかに回転しうるが,ちょうどが取れてしない時,力のモーメントのつり合いが取れていると言える.
力のモーメントのつり合いにより
ℓ×()+2ℓ×=0 ・・・①
これは下図のようなてんびんがつり合っているのと同じである.
あとは,力のつり合いにより
鉛直方向では F+=Mg ・・・②
水平方向では N= ・・・③
となる.
①式より Mg=Tsinθ
Mg=Tsinθ ・・・①’
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T= |
————————————— |
・・・④と表せる. |
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張力Tは未知数であるが,棚板の重力やなす角θは
測定しやすいので,これにより張力Tが求まる.
また同様にして③,④より
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cosθ |
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Mg |
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N=Tcosθ= |
————————————— |
= |
—————————— |
・・・⑤ |
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2 |
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と垂直抗力も求まる.
最後はFを求める.
②よりF=MgTsinθ
①’より
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Tsinθ= |
———————— |
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だから
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F=Mg- |
———————— |
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= |
———————— |
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ということはF=である.
以上,力のつり合いはその場所に物体ができる状況を表し,
力のモーメントのつり合いは,物体がその場所に
静止できる状況を表している.
橋脚など,多くの人が利用する構造物では台風などで倒れない設計が重要である.
そういう時に力のつり合いだけでなく,力ののつり合いが重要に
なってくる.
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