燐（りん）
体 性
ギリシャ語で「光を運ぶもの」という意味の「phosphoros」から命名された。phos が「光」、phoros が「運ぶもの」の意。
以前、リンは漢字で燐（ひとだまの意）と書いていた。ひとだまはリンが燃えているものだと考えられていたためであろう。
水素（ホス）
体 臭（しゅう）
常温では無色腐魚臭の可燃性気体で、常温の空気中で酸素と反応して自然発火する。極めて毒性が強く（許容量 0.3 ppm）、吸入すると肺水腫や昏睡状態に陥り、死に至る。融点 -134 ℃、沸点 -87.8 ℃、密度 1.379 g/L (気体, 25 ℃)。日本ではその強い毒性から、毒物及び劇物取締法において、医薬用外毒物の指定を受けている。
三燐
体 臭，性
毒性、腐食性を持ち、常温・常圧において液体である。水と激しく反応する。工業的に重要な化合物であり、除草剤、殺虫剤、可塑剤、油への添加剤、難燃剤の製造に使われている。還元剤であり、五塩化リンや塩化ホスホリルへと酸化される。毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。
塩化
体 臭，性，不性
合成化学において特殊材料ガス、各種塩化物の製造として用いられる。不快な刺激臭を持つ淡黄色の固体（結晶）であり、水により加水分解し塩素ガス及びリン酸を生成する。不燃性、腐食性が強く毒物に指定されている。
三燐（三四燐）
体 性
三硫化リンはマッチの製造などに用いられ、100℃で発火する。
硫化（硫化二，硫化燐）
体 性，性（水を吸う）
五硫化二リン（ごりゅうかにリン、phosphorus pentasulfide）は、分子式 P4S10 で表される、リンと硫黄からなる無機化合物である。淡黄色固体の粉末で、硫化剤などとして工業的に重要である。二硫化炭素やベンゼンには溶けるが、アルコールやアミンとは反応を起こす。分子構造はアダマンタンと類似しており、五酸化二リンとほぼ同じである。
水素 体 ガラスを（しょく，溶かす）
フッ化物の製造原料として用いられる。フッ化水素は反応性が高く、さまざまなものを侵す。高オクタン価ガソリンを製造するためのアルキル化処理の触媒となるほか、電線被覆や絶縁材料、フライパン・眼鏡レンズのコーティングなどに使われるフッ素樹脂や、エアコンや冷蔵庫の冷媒として使われるフロン類の原料でもある。これらの用途に使われるフッ化水素は99.9%以下の低純度製品で、各国で生産されている。
