問題
友待つ雪に もよほされてなむ(),ゆくりなく思し立た(形)す(,形)める(,形).
「友待つ雪」に誘われて、突然思い立ちなさるようである。
「空より花の」と うち興じたりしも,かくて やみ(形)ぬ(,形) とにや() あら(形)む(,形).
「空より花(雪のこと)の」と面白がっていたのだが、愛でているその間に早くも(雪が)散り失せてしまったのは、こうして降り止んでしまうと言うことであろうか。
「さて 引き返さ(形)む(,形)も 人目 悪か(形,悪かる→悪かん,撥音便,無表記)めり(,形).
「そうは言っても、引き返すようなのも人目が悪いようだ。
そして天気はまた急変して大雪になる.
何がしの山,くれがしの河原も,ただ時の間に 面変はり せ(形)り(,終止形).
何がしの山やくれがしの河原も、少しの間に見た目が変わっている。
「これや() 小倉の峰 なら(,形)まし(,形)」「それこそ() 梅津の渡りなら(形)め(,形)」と,

「これは小倉の峰であろうか」

「それは梅津の渡りだろう」と、
急に今まで景色に興味がなかった同行の者たちも
口々に定めあへ(形)る(,形)ものから(〜),松と竹のけぢめをだに(〜),とりはづしては 違へ(形)ぬ(,形)べか(,形,べかる→べかん,撥音便無表記)めり(,形).
口々に定め合っているものの、松と竹の区別でさえ、取り外しては当然のように間違えてしまうようだ。
擬古物語,江戸時代に平安時代のことを懐かしんで,平安時代の登場人物を登場させた小説がつくられた.
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