問題
小式部,これより歌詠みの世におぼえいできにけり.
小式部の内侍(ないし,役職)は,この時以降,和歌の評判が出てきました.
に(,形)+けり(,形).
われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて,知りぬ.
私がいつも朝夕に見ている竹の中にいらっしゃるので,知りました.
知り(,形)+ぬ(,形)
手にうち入れて,家へ持ちて来ぬ.
手のなかにそおっと入れて,家に持って帰ってきました.
来(き,,形)+ぬ(,形)
節を隔て(へだて)よごとに黄金(こがね)ある竹を見つくること重なりぬ.
節ごとに黄金が入っている竹を見つけることが重なった.
重なり(,形)+ぬ(,形)
から衣きつつなれにしつましあれば
着慣れたから衣のような妻がいたので
なれ(,形)+に(,形)+し(,形)
みな人,乾飯(かれいひ)の上に涙落としてほとびにけり.
皆,おにぎり(かれいひ)の上に涙を流したのでおにぎりは涙を吸ってふやけました.
ほとび(,形)+に(,形)+けり(,形)
いかなる高名候へ(さうらへ)ども,最後の時不覚しつれば,
どんなに高名が立っていましても,最期の時に不覚なことをしてしまうと,
不覚し(,形)+つれ(,形)+ば(,接続助詞)
討たれさせたまひなば,
討たれなさってしまったならば,
たまひ(,形)+な(,形)+ば(,接続助詞)
さばかり日本国に聞こえさせたまひつる木曽殿をば,
そのように日本中に名声がとどろいてしまっている木曽殿を,
たまひ(,形)+つる(,形)
それがしが郎等の討ちたてまつりたる
だれがしの家来が討ち申した
たてまつり(,形)+たる(,形)
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