問題
予もいづれの年よりか,片雲の風に誘はれて,
私もいつの年からか,片雲の風に誘われて
誘は(,形)+れ(,形)+て(接続助詞)
額をつきし薬師仏の立ちたまへるを,見捨てたてまつる悲しくて,人知れずうち泣かれぬ.
いつも額をついて祈っていた薬師仏が立っていらっしゃるのを,見捨てて都にのぼるのが悲しくて,人知れず自然に泣けてくるのであった.
うち泣か(,形)+れ(,形)+ぬ(,形)
いと口惜しく思ひ嘆かるるに,をばなる人の田舎より上りたるところにわたいたれば,
(本好きの私が源氏物語全部を私に見せてくれるよう神様にお祈りしたのに,何も起こらず)とても残念に思い嘆かれる時に,伯母である人が田舎から都に登ってきたところに私が訪ねると,
思ひ嘆か(,形)+るる(,形)に
大きにはあらぬ殿上童の,装束きたてられてありくもうつくし.
大きくはない殿上童が,装束を着せられて歩きまわっているのもかわいい.
きたて(,形)+られ(,形)+て(接続助詞)
「少納言よ,香炉峰の雪いかならむ.」と仰せらるれば,
中宮様が「清少納言よ,香炉峰の雪はどうなっているであろうか.」とおっしゃったので,
仰せ(,形)+らるれ(,形)+ば(接続助詞,順接)
いま一声呼ばれていらへむと,念じて寝たるほどに,
もう一声呼ばれてから返事しようと,我慢して寝ているうちに
呼ば(,形)+れ(,形)+て(接続助詞)
小式部内侍,歌詠みにとられて,詠みけるを,
小式部内侍が歌詠みに取られて,詠んだところ,
とら(,形)+れ(,形)+て(接続助詞)
かの卿の心には,これほどの歌,ただいま詠みいだすべし,とは知られざりけるにや(あらむ).
かの卿の心には,これほどの歌をまさか小式部内侍がすぐに詠みだすことができる,とはお知りにならなかったのであろう.
知ら(,形)+れ(,形)+ざり(,形)+ける(,形)+に(,形)+や(係助詞)
道知れる人もなくて,惑ひ行きけり.
道を知っている人もいなくて,迷いながら行ったそうな.
道知れ(,形)+る(,形)+人(名詞)+も(係助詞)
所々で討たれんよりも,一所でこそ討死をもせめ.
所どころで打たれるようなのよりも,一カ所で討ち死にしよう.
討た(,形)+れ(,形)+ん(,形)+より(格助詞)+も(係助詞)
恋しからむことの堪へがたく,湯水飲まれず,同じ心に嘆かしがりけり.
(かぐや姫が月に帰ってしまうので,お付きの人も)かぐや姫のことを恋しくなると想像すると耐え難く思い,湯水も飲めない状態で,翁と同じ心で嘆いていた.
飲ま(,形)+れ(,形)+ず(,形)
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