問題 1.
そぞろ神のものにつきて心を狂はせ,
人の心を湧き立たせる神が取り付いて心を狂わせ,
狂は(,形)+せ(,形)
さるは,たよりごとに物も絶えず得させたり.
そうでは(隣の人から進んで庭を管理してくれると申し出た)あるけれども,京都に用事があるたびに,(赴任している高知の)お土産も欠かさず届けさせたのだけどなあ.(高知赴任ののち,数年後に京都に戻ると家の庭がひどく荒れていた.)
得(え,,形)+させ(,形)+たり(,形)
こよひ,「かかること.」と,声高にものも言はせず.
今夜は「こんなひどいことを.」と,大きな声で付き人に物も言わせない.
言は(,形)+せ(,形)+ず(,形)
思しいづる所ありて,案内せさせて入りたまひぬ.
月見で知り合いが思う所があって,付き人に案内させて思う所に入りなさった.
案内せ(,形)+させ(,形)+て(接続助詞)
あさましくさぶらひしことは,人にも知らせたまはで,みそかに花山寺におはしまして,
驚きあきれたことに,(花山院天皇は)人にもお知らせにならないで,ひそかに花山寺にいらっしゃって,
知ら(,形)+せ(,形)+たまは(,形)+で(接続助詞)
御出家入道せさせたまへりしこそ,御年十九.
御出家,入道しなさってしまったのは,なんと十九才.
せ(,形)+させ(,形)+たまへ(,形)+り(,形)+し(,形)+こそ(係助詞)
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