高校古文テスト
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されば御ながめがちにて,よるのおとどにのみぞいらせたまふ.平家物語
(帝はご寵愛の女をお召しになれず)
それでがちで,御寝所にばかりお入りである.
よろづのはばかりを忘れ,身をもえうなきものになし果てて,十六夜日記
いろいろな差しさわりを忘れ,身をものに思い切ってしまって,
かやうの方違へ所と思ひて,小さき家まうけたりけり.源氏物語
こんな方違え用にと考え,小家をていた.
忘れ難く口惜しき事多かれどえつくさず.
わすれにくく事が多いけれど書き尽くすことはできない.
とまれかくまれ疾くやりてむ.土佐日記
とにもかくにも早く破り捨てたい.
いみじううつくしきちごの,いちごなど食ひたる.枕草子
たいそう幼子が,いちごなどを食べている(様子が趣がある.)
昔,女を盗み手なむ行く道に,水のある所にて,飲まむとやと問ふに,
昔,女を奪って行く途中,水のある所で,飲みたいかと聞くと,
うなづきければ,杯なども具せざりければ,手にむすびて食はす.伊勢物語
うなずいたので,杯なども持っていなかったので,手でて飲ませる.
さらぬ人だに,あざれたるもの覗きは,いと便なきことにするを,大鏡,藤原氏物語
それほどではない人でさえ,たのぞき見は,とてもこととしているのに,
東宮いとうたてき御物の怪にて,ともすれば御心地あやまりしけり.栄花物語
皇太子はとても物の怪のため,どうかするとお心が乱れた.
松原しげりて,月いみじうあかきに,風の音もいみじう心ぼそし.更級日記
松原が生い茂って,月は明るいのに,風の音ももの寂しい.
人の上にて見たるだに,心憂し.
他人事として見ているのでさえ,(酒飲みは).徒然草
たび重なりければ,主聞きつけて,その通ひ路に,夜ごとに人をすゑて
まもらせければ,行けどもえ逢はで帰りけり.伊勢物語
(男の訪れの)回数が重なったので,主人が聞きつけて,その通り道に,
毎晩人を置いてせたので,(男は)通っていくけれど会わないで
帰ったのだった.
人々悦びて聖を貴がりめであひたり.宇治拾遺物語
人々は喜んで,高僧を尊く思い合った.
御髪はゆらゆらときよらにて,まみのなつかしげににほひたまへるさま,
(東宮の)御髪はふっさりとして美しく,目元が親しげにおられる
様子は,
大人びたまふままに,ただかの御顔を脱ぎすべたまへり.源氏物語
ご成長なさる時を考えると,ただあの(源氏の君の)お顔に生き写しで
おられる.
現世後生たのみおぼしめされつる新院さへさきだたせたまひぬれば,
(後白河院は)現世来世の頼りとお考えだった高倉院まで先立ちなさったので,
とにかくにかこつかたなき御涙のみぞ進みける.平家物語
どうにもところも無くなり御涙ばかりがどんどん流れるのだった.
心なしと見ゆる者も,よき一言は言ふものなり.徒然草
と見える者も,気の利いた一言は言うものである.
あがたへ行く人に,馬のはなむけせむとて,呼びて,
地方へ行く人に,餞別をしようとして,呼んで,
うとき人にしあらざりければ,家刀自さかづきささせて,
縁が薄い人ではなかったので,妻に酒を勧めさせ,
女の装束かづけむとす.伊勢物語
女の着物をようとした.
この世の人は,男は女にあふことをす.竹取物語
この世の中の人は,男は女とことをする.
もしありくべき事あればみづから歩む.
もしねばならないことがあれば自分で歩く.
苦しといへども馬鞍牛車と心を悩ますにはしかず.方丈記
つらいといっても馬鞍牛車と心を悩ますよりましだ.
そこなる女,京の人はめづらかにやおぼえけむ,
そこに住む女にとって,都の人は珍しくたのだろうか,
せちに思へる心なむありける.方丈記
男を慕う気持ちがあった.
待つ人などのある夜,雨の音,風の吹きゆるがすも,ふとおどろかる.枕草子
待っている人などがある夜,雨の音や,風がゆさぶるお供,ふいにてしまう.
のちの矢をたのみて,初めの矢になほざりの心あり.徒然草
後の矢をて,最初の矢にいいかげんにする気持ちが出る.
あはれ,うれしき事かな.地蔵の歩かせたまはむ所へ我を率てたてまつらむといへば,
宇治拾遺物語
ああ,うれしいことだ.地蔵がお歩きのところへ私をてくださいと言うと,
例の鹿の目のあはひよりも近くて目の色も変はりたりければ,あやしと思ひて,
宇治拾遺物語
通常の鹿の目の間より狭く目の色も変わっていたので,と思って,
車はかいけつやうに失せぬ.枕草子
牛車はかき消すようにた.
ただ今,たれかはおぼつかなく思し思ふ人の侍らむ.
現在,だれがわからなくて気になるとお思いになるでしょうか.
されどまづすべらぎの御ことを申すさまにたがへはべらぬなり.大鏡
しかし最初にことを申し上げるという形にないのです.
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