古文単語テスト
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右の人,をこに思ひて,うち笑ひて,
右方の人は,ことに思って,にやにやしながら,
平中みそかに,人に忍びて語りけるとぞ.
平中は,人に内緒で語ったということだ.
ひたぶるに仏を念じたてまつりて,宇治の渡りにいき着きぬ.
仏様をお祈り申し上げて,宇治川の渡しにたどり着いた.
恋しさに来つつかへれど,女にせうそこをだにえせでよめる.
恋しさのあまり女の家に来ては戻るが,女にさえ渡せずに詠んだ.
ほとりに松もありき.五年六年のうちに千年や過ぎにけむ,かたへはなくなりにけり.
池のほとりには松もあったはずだ.五,六年のうちに千年がたったのだろうか,はなくなってしまった.
ごせを思はむ者は,甚太瓶(じんたがめ)一つも持つまじきことなり.
を考える者は,ぬかみそ瓶一つも持ってはならないことである.
そぞろに物狂ひて山に入りて,仏になりたいとぞいふなる.
狂乱して山に入り,仏になったということだ.
九条殿の御贈物にしたまひける,女のさうぞくにそへられたりける紅の打ちたるほそながを,
藤原師輔殿が贈り物になさった女のに添えられた紅色で艶出しをした細長を,
かかる君につかうまつらで,すくせつたなくかなしきこと,この男にほだされてとなむ泣きける.
こんなご主君にお仕えしないで,が悪く悲しいことだ,この男の情にひかれてと言って泣いた.
なのめにだにあらず,そこらの人のほめ感じて,
もなく,多くの人がほめ感心して,
堀川大納言殿,伺候したまひし御ざうしへ用ありて参りたりしに,
堀川大納言殿が,お仕えなさっていたおへ,用があって参上した時に,
ひとへに直くたくましきさがのなす所なるぞかし.
ただひたすら正直でたくましいのせいだ.
待ちわびて,立ち出でて山の井に行きて,かげをみれば,わがありしかたちにもあらず,あやしきやうになりにけり.
(男を)待ちかねて,家を出て山の湧き水に行って,を見ると,自分のかつての顔でもなく,見苦しい様になってしまっていた.
この殿の御おもておこしたまふは,皇后宮におはしましき.
この方のれたのは,皇后の宮でいらした.
その人,かたちよりは心なむまさりたりける.
その人は,よりも心がすぐれていたのだった.
おまへの壺前栽の,いとおもしろき盛りなるを,御覧ずるやうにて,
(帝の)にある中庭の植え込みが,
とても美しい盛りであるのを,ご覧になる様子で,
おほやけの宮づかへしければ,常にはえまうでず.
のご奉公をしていたので,
いつも参上できるわけではなかった.
世の中むつかしうおぼゆるころ,太秦(うづまさ)にこもりたるに,
夫婦の仲が感じられたころ,太秦にこもったところ,
かごとも聞こえつべくなむ
も申してしまいそうです
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