百人一首８１〜９０

問題 1.

８１ほととぎす　鳴きつる方を　ながむれば

閨のひまさへ　つれなかりけり 憂きに堪へぬは　涙なりけり 山の奥にも　鹿ぞ鳴くなる ただ有明の　月ぞ残れる 憂しと見し世ぞ　今は恋しき


８２思ひわび　さても命は　あるものを

閨のひまさへ　つれなかりけり 憂きに堪へぬは　涙なりけり 山の奥にも　鹿ぞ鳴くなる ただ有明の　月ぞ残れる 憂しと見し世ぞ　今は恋しき


８３世の中よ　道こそなけれ　思ひ入る

閨のひまさへ　つれなかりけり 憂きに堪へぬは　涙なりけり 山の奥にも　鹿ぞ鳴くなる ただ有明の　月ぞ残れる 憂しと見し世ぞ　今は恋しき


８４長らへば　またこのごろや　しのばれむ

閨のひまさへ　つれなかりけり 憂きに堪へぬは　涙なりけり 山の奥にも　鹿ぞ鳴くなる ただ有明の　月ぞ残れる 憂しと見し世ぞ　今は恋しき


８５夜もすがら　物思ふころは　明けやらで

閨のひまさへ　つれなかりけり 憂きに堪へぬは　涙なりけり 山の奥にも　鹿ぞ鳴くなる ただ有明の　月ぞ残れる 憂しと見し世ぞ　今は恋しき

問題 2.

８６嘆けとて　月やは物を　思はする

濡れにぞ濡れし　色は変はらず 霧立ちのぼる　秋の夕暮れ 身を尽くしてや　恋ひわたるべき かこち顔なる　わが涙かな 忍ぶることの　弱りもぞする


８７村雨の　露もまだ干ぬ　真木の葉に

濡れにぞ濡れし　色は変はらず 霧立ちのぼる　秋の夕暮れ 身を尽くしてや　恋ひわたるべき かこち顔なる　わが涙かな 忍ぶることの　弱りもぞする


８８難波江の　蘆のかりねの　ひとよゆゑ

濡れにぞ濡れし　色は変はらず 霧立ちのぼる　秋の夕暮れ 身を尽くしてや　恋ひわたるべき かこち顔なる　わが涙かな 忍ぶることの　弱りもぞする


８９玉の緒よ　絶えなば絶えね　ながらへば

濡れにぞ濡れし　色は変はらず 霧立ちのぼる　秋の夕暮れ 身を尽くしてや　恋ひわたるべき かこち顔なる　わが涙かな 忍ぶることの　弱りもぞする


９０見せばやな　雄島の海人の　袖だにも

濡れにぞ濡れし　色は変はらず 霧立ちのぼる　秋の夕暮れ 身を尽くしてや　恋ひわたるべき かこち顔なる　わが涙かな 忍ぶることの　弱りもぞする

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